「迎える」か「向かえる」か?日本語の微妙な違いを解き明かす | 木の葉ブログ

「迎える」か「向かえる」か?日本語の微妙な違いを解き明かす

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日本語の「むかえる」という動詞には、正しい漢字の選択が重要です。

「迎える」と「向かえる」の2つの表記があり、一見似ているため、どちらを使えばいいのか迷うことがありますよね。

実は、私自身、これまでふたつの言葉の違いを意識せずに使ってきました。

でも、じっくりとその違いを調べてみたところ、「迎える」と「向かえる」はまったく異なる意味を持っていることがわかりました。

これが原因で、意図しない表現になってしまうこともあるんです。

この記事では、「迎える」と「向かえる」の意味の違いと、適切な使い方についてご紹介します。

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「迎える」と「向かえる」の意味と正しい使い方

朝を迎える

はじめに、「迎える」と「向かえる」、これらの言葉の正しい意味と使い分けについて解説します。

「迎える」について

辞典で「迎える」の意味を見てみましょう。

【迎える】とは

  1. 人を出迎えるために位置を変えること。
  2. ある時期やイベントの開始時。
  3. 誰かを招くこと。
  4. 人を家族として迎え入れる。
  5. 他者の意見や希望に応えること。

これらの定義から、「何かや誰かが自分の方へ来る際に受け入れる」という意味合いが共通しています。

「迎える」の使用例としては、「新入社員の歓迎会を開く」などがあり、自分の方向に何かが来る場合に使われる言葉です。

「向かえる」について

一方、「向かえる」を辞書で調べてみても記載がありません。

これは、「向かえる」という表現が単独の単語として存在しないからです。

正しくは、「向かう」に「れる(可能形)」をつけた「向かうことができる」という意味で、「向かえる」と表現します。

つまり、特定の日時に何かに向かうことが可能であることを意味します。

例えば、「買う」に「える」を足して「買える」(買うことができる)、「着る」に「られる」を足して「着られる」(着ることができる)といった具合です。

「お客様を向かえる」と書いた場合、「お客様に対して向かうことができる」という変な意味になってしまいます。

補足ですが、「向かう」の受動形や可能形として「迎える」を使うケースもありますが、「迎える」という言葉は「向かう」の受け身とは異なる使われ方をします。

「迎える」を「迎う」と書くことはありません。

「迎える」と「向かう」の視点の差

目標に向かう

「迎える」と「向かう」は、基本的に同一の状況を二つの異なる視点から描き出しています。

具体例として、目的地に進んでいく際は「向かう」と表現し、目的地で何かを待つ場合は「迎える」と表現します。

「明日を迎える」と「明日に向かえる」には、明確な意味の違いがあります。

「明日を迎える」は、新しい日が来るのを受け入れるという意味ですが、「明日に向かえる」は、たとえば困難を乗り越え、希望を持って未来へ進むことができる状態を示します。

結論として、「迎える」と「向かえる」は、自身が置かれている状況や向かっている方向によって使い分けられます。

何かが自分のもとへ来る状況では「迎える」を、自分が何かに向かっていく状況では「向かえる」を使用します。

このとき、「迎」は対象が自分に来ることを、「向」は自分が対象に進むことを意味します。

「迎えに行く」って実際どういう意味?

迎えに行く

「迎えに行く」というフレーズには、「行く」という動作が含まれており、一見すると自分が何かに向かって移動する行為を想像させます。

しかし、この表現は単に移動するだけの意味ではありません。

正確には、「迎えに行く」は自分が相手の場所へ向かい、そこで相手を出迎えるために行動することを指します。

例えば、海外から戻る友人を空港で受け取り、車で自宅まで送る場合を想定してみましょう。

あなたは友人に「迎えに行くよ」と伝え、実際にそのために行動します。

ここでのポイントは、確かにあなたは空港へと「向かう」わけですが、この行動の真の目的は、友人を日本で歓迎し「迎える」ことにあります。

したがって、「迎えに行く」と表現する際は、その

行為が単なる移動以上の意味を持つことを示しています。

つまり、「迎えに行く」は、あくまで相手を歓迎するための積極的なアプローチであり、「行く」という行為を通じて相手を迎え入れる心意気を表現しています。

この場合、「行く」は単に物理的な移動を意味するだけでなく、相手に対する配慮や心からの歓迎の意志を含んでいます。

それは、自分から動いて誰かを喜ばせようとする行動であり、その深い意味で「迎えに行く」は用いられるのです。

結論として、「迎えに行く」には、ただ目的地に「向かう」以上の、相手を思いやる気持ちや、その人を迎えるための特別な行動が含まれています。

だからこそ、この表現は単純な移動を越えた豊かなコミュニケーションを可能にするのです。

まとめ

これまでに説明したように、「迎える」と「向かう」には、それぞれ使い分けるべき明確な違いが存在します。

「向かう」から派生する形として考えられる「向かえる」は、実際には辞書に登載されていない表現です。

この「向かえる」は、「向かうことが可能である」と解釈され、主に可能性の表現に使われます。

反対に、何かが自分のもとへ来る際には、「迎える」という言葉を適切に用いるべきです。

誤った使い方をすると、伝えたい意味とは異なる解釈を受けかねません。

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