キツネについて話すとき、その柔らかく豊かな毛並み、目を引く長い尾、そして大きな耳が特徴的であることが挙げられます。
これらの生物は、世界中に広がっており、日本国内でもその姿を見ることができます。
本稿では、キツネが分類される科について、そして、日本でどのような場所に生息し、何を食べるのかについて詳しくご紹介します。
キツネの分類 イヌ科かネコ科か
キツネの分類について考える時、その大きさからイヌ科やネコ科に分類されるかと思われがちです。
実のところ、キツネは正式に「哺乳類の食肉目イヌ科キツネ属」に属しています。
通常、イヌ科とネコ科の違いには混乱が生じやすいですが、ネコは「哺乳類の食肉目ネコ科」に分類され、ネコとイヌはより大きな分類単位である「目」のレベルで共通しています。
これにより、「キツネはネコよりもイヌに近い」ということが言えます。
具体的には、キツネは哺乳類であり、食肉目イヌ科イヌ亜科に属する動物で、イヌ科の一部であるとされています。
日本に生息するキツネの種類とその分布
日本では、ホンドギツネとキタキツネという二つのキツネ種が存在します。
ホンドギツネは主に本州、四国、九州に、キタキツネは北海道にそれぞれ生息しています。
全国的にキツネの姿を目にすることは可能ですが、四国や九州ではその数が少なめであることが指摘されています。
研究によると、森林地帯にキツネが多く生息していることが明らかにされており、森林の割合が高い地域ではキツネの個体数も増える傾向にあります。
キツネが特に多い地域は北海道、京都府、奈良県、岡山県、山口県、佐賀県、大分県などが挙げられます。
一方で、秋田県、石川県、東京都、埼玉県、千葉県、和歌山県、福岡県、宮崎県ではキツネの数が減少しています。
都市化や平野部の広がりが進む東京都、埼玉県、千葉県などでは、キツネが生息しにくくなっており、これが個体数減少の一因とされています。
また、関東地方では既に明治時代以前からキツネの減少が見られ、西日本に向かうほど個体数が増えている地域差が明確です。
森林が豊富なのにもかかわらずキツネの数が減っている秋田県、石川県、和歌山県、宮崎県では、森林以外の要因が個体数に影響を与えていると推測されています。
キツネの食生活について
野生キツネの主な食物
野生のキツネは、主に雑食性であり、肉類を中心に幅広い食物を摂取します。
生まれて1年以内には、自ら獲物を捕らえる能力を身につけます。
肉類
キツネはウサギや野ネズミ、リスといった小型動物を捕食することを好みます。
さらに、ヘビやカタツムリなども食べることがあります。
人間の生活圏では、ニワトリを捕食することもあり、家畜としてのニワトリが被害に遭うケースが報告されています。
植物性食物
秋季には、キツネは木の実や果物を食べることもあります。
トウモロコシや豆類などの農作物も好んで食べるため、これらが被害を受けることがあります。
人間の食べ残し
キツネは雑食性のため、人間が残した食べ残しも摂取します。
人間の住む地域でゴミを漁ることもありますし、人間から直接餌をもらうこともあります。
飼育下のキツネへの餌
野生のキツネが食べる食物、例えば木の実、小型の哺乳類や鳥、魚、卵、爬虫類や昆虫などは、飼育下のキツネにも適しています。
しかし、これらを日常的に提供するのは難しいため、ドッグフードやキャットフードを与えることが一般的です。
キツネはイヌ科に属するため、犬用の食品を与えても構いません。
ドッグフードやキャットフードは1日に数回に分けて与えます。
また、煮た野菜や鶏肉のささみ、レバーなども良い餌になりますし、果物は水分補給にも役立ちます。
ただし、犬と同様に、チョコレートやタマネギ、にんにくなどはキツネにとって有害です。
まとめ
キツネはその柔らかな毛並み、長い尾、そして大きな耳で知られ、世界中に分布しており、日本でも見られます。
キツネは「哺乳類の食肉目イヌ科キツネ属」に属しており、ネコよりもイヌに近い関係にあります。
日本では、ホンドギツネとキタキツネの二種が生息しており、ホンドギツネは本州、四国、九州に、キタキツネは北海道に生息しています。
キツネの生息数は地域によって異なり、特に都市化や平野部の広がりが進む地域では減少傾向にあります。
野生キツネの食生活は雑食性で、小動物、植物性食物、人間の残飯など幅広く摂取します。
飼育下では、キツネにはドッグフードやキャットフードが一般的に与えられ、煮た野菜や鶏のささみなども適していますが、チョコレートやタマネギ、にんにくは与えてはいけないとされています。
