近年、InstagramやFacebookなどのSNSアカウントが乗っ取られる被害が急増しています。
「突然ログインできなくなった」「勝手に投稿されている」「知らない人に乗っ取られた」――そんなとき、どうすればいいのでしょうか?
この記事では、SNSアカウントが乗っ取られた際の対処法と、今後乗っ取られないための予防策を解説します。
アカウントが乗っ取られたかもしれないと感じたら
まず確認すべきこと
SNSアカウントの乗っ取り被害は、気づかないうちに進行していることもあります。そのため、日頃の小さな違和感にも敏感になりましょう。以下の点をひとつずつ丁寧に確認してください。
- いつも通りログインできるか?突然パスワードが通らない場合は要注意です。
- パスワードが自分の知らないうちに変更されていないか?リセットメールが届いていないかも確認しましょう。
- メールやSMSで見覚えのない通知、特にログイン通知やセキュリティ警告が届いていないか?
- 自分が行っていない投稿やストーリー、知らない人へのDMの送信が行われていないか、アクティビティをチェックしましょう。
- ログイン履歴を確認し、不審な地域や端末からのアクセスがないかも確認することが重要です。
これらの異変が1つでも当てはまる場合、アカウントが第三者に乗っ取られている可能性があります。早急な対処が必要です。
【対処法】乗っ取られたときのステップ
ステップ1:ログインできる場合は即パスワード変更
ログイン可能な場合は、すぐに以下を行いましょう。少しでも不審な動きがあったら、念のためパスワードを変更しておくのが安全です。
- パスワードの変更:他人に推測されにくい、強固なものに設定します。以前使ったことのあるパスワードは避けましょう。
- 二段階認証の有効化:SMS認証や認証アプリ(Google Authenticator、Authyなど)を利用することで、第三者がログインするのを防ぎます。
- 登録メールアドレスの確認:ログイン通知やパスワード変更通知を受け取るメールが正しいかチェックしましょう。
ステップ2:ログインできない場合は復旧申請
ログインができない、またはパスワードが変更されてしまっている場合は、速やかに復旧申請を行いましょう。
Instagramの場合
- Instagramアカウントヘルプ にアクセスし、アカウントにアクセスできない理由を選択します。
- 画面の指示に従い、登録済みのメールアドレスや電話番号を入力します。
- 本人確認のために、顔写真付き身分証の提出や、過去に投稿した画像を提示するよう求められることがあります。
Facebookの場合
- Facebookのアカウント復旧ページ にアクセスします。
- 「アカウントがハッキングされたと思う」を選び、表示される案内に沿って手続きを進めます。
- 場合によっては、過去の友達リストの確認や写真認証を求められることもあります。
ステップ3:登録情報が変更されていた場合
アカウントが乗っ取られた際、登録されていたメールアドレスや電話番号が変更されてしまうことがあります。
- メールアドレスや電話番号の変更通知メールをチェック:このような通知が届いていた場合、乗っ取られたタイミングの特定にも役立ちます。
- メールに記載されたリンクから変更をキャンセルできる可能性あり:すぐにアクセスして元に戻しましょう。
- プロフィール情報の改ざんや知らないリンクが貼られていないか確認することも大切です。
ステップ4:他サービスのパスワードも変更
同じパスワードを複数のサービスで使い回していた場合、乗っ取られたアカウントを起点に被害が広がる恐れがあります。
- SNS以外にも、メールアカウント、ECサイト、ネットバンクなども確認し、必要に応じてパスワードを変更してください。
- パスワード管理ツール(例:1Password、Bitwardenなど)を使うと、複雑なパスワードを安全に管理できます。
一度の被害で複数のサービスに影響が及ぶこともあるため、迅速かつ広範囲な対応が重要です。
【予防策】乗っ取りを防ぐために今すぐできること
SNSアカウントを安全に保つには、日々のちょっとした心がけと設定の工夫が非常に重要です。以下の4つのポイントを実践することで、乗っ取り被害のリスクを大きく減らすことができます。
1. 強固なパスワードを設定
- 名前や誕生日、電話番号など、第三者が簡単に想像できるような情報は避けましょう。たとえば「taro1990」や「abc123」などの単純な組み合わせは非常に危険です。
- 英字(大文字・小文字)、数字、記号を組み合わせ、12文字以上の長さを確保しましょう。
- パスワードはSNSごとに異なるものを設定し、使い回しをしないことが基本です。複雑なパスワードは管理が難しいため、パスワードマネージャー(例:1PasswordやBitwardenなど)の利用をおすすめします。
2. 二段階認証を有効にする
- 二段階認証(2FA)は、アカウントを守るための非常に有効な手段です。パスワードだけでなく、スマホに送られる認証コードや専用アプリで生成されるコードの入力が必要になるため、第三者が簡単にアクセスすることができなくなります。
- FacebookやInstagramでは、SMSによるコード送信や、Google Authenticator、Authyなどの認証アプリとの連携が可能です。
- 認証アプリを使用している場合は、万が一に備えてバックアップコードの保存も忘れずに行いましょう。
3. フィッシング詐欺に注意
- フィッシング詐欺とは、見た目が本物そっくりな偽のログインページやメールを使って、アカウント情報を盗み取ろうとする手口です。
- 「セキュリティ上の問題が発生しました」などと不安を煽るような内容で、リンクをクリックさせようとしてきます。リンクのURLが正規のドメインであるか、しっかり確認しましょう。
- DMやコメント欄からの怪しいリンク、聞き慣れないアカウントからのメッセージにも注意が必要です。少しでも怪しいと感じたら、開かずに削除しましょう。
4. 定期的にログイン履歴を確認
- SNSには、自分のアカウントにどの端末・地域からアクセスされたかを確認できる「ログインアクティビティ」という機能があります。
- 自分のスマホやPC以外からのアクセスが記録されていないか、週に1回程度確認する習慣をつけると安心です。
- 万が一、心当たりのないログイン履歴が見つかった場合は、すぐにすべての端末からログアウトし、パスワードを変更しましょう。また、二段階認証の設定も再確認してください。
まとめ
SNSの乗っ取りは、決して他人事ではありません。誰にでも起こり得るトラブルであり、特にスマートフォンやPCで日常的にSNSを利用している方にとっては、常に隣り合わせのリスクとも言えます。しかし、迅速に対処することで、被害を最小限に食い止めることは十分に可能です。
アカウントが乗っ取られたことに気づいたら、すぐにパスワードを変更したり、復旧申請を行うことが重要です。また、ログイン情報が他人に渡ってしまっていた場合に備えて、他のサービスでもパスワードを変更するなど、包括的な対応が必要になります。
さらに、日ごろからの予防策――強固なパスワードの使用、二段階認証の設定、フィッシング詐欺への注意、ログイン履歴の確認など――を怠らないことが、乗っ取りを防ぐ最良の方法です。これらの対策を習慣化することで、アカウントの安全性を格段に高めることができます。
「自分は大丈夫」と油断せず、自分自身のアカウントを守るための行動を、今この瞬間から始めましょう。