保護者としてしばしば感じることの一つに、子供に家事を手伝ってほしいという願いがあります。
子供に手伝ってもらえれば、ただでさえ忙しい日々が少しは楽になるという現実的な理由から、教育的な観点での成長の契機としても捉えられる、そのような思いです。
けれども、実際には子供たちが家事を積極的に手伝ってくれないという状況もしばしばあります。
時として、この状況は親自身の不適切な対応によって引き起こされることも否めません。
家事の手伝いを子供たちに促すために、どのような接し方が有効なのか、そのポイントをいくつかご提案します。
子供が家事を手伝うかは「親次第」
子供の性格にも依るところはありますが、子供が積極的に家事を手伝うかどうかは、主に「親次第」と捉えることができます。
親の接し方によって、子供たちが家事に協力する可能性は高まります。
その反対に、接し方が不適切だと、全く手伝いをしてくれないという事態にも陥りうるのです。
では、何がその境界線となっているのか、そして子供たちにどういった形で家事の手伝いを促したら良いのかについて、詳細に説明しましょう。
子供への依頼方法
子供たちに日常的な手伝いを習慣化させるためには、まず親から正式に依頼することが重要です。
これは卑屈になって過度に頼むことを意味するわけではなく、ただし威張りすぎる態度も避けるべきですが、親が子どもに手伝いをしてほしい願いを明確に伝える行為を指します。
無言で子供に察してもらうことから始めると、子供が気づかず、何を求められているのかわからないリスクがあります。
したがって、自ら手伝ってほしい旨を伝えることが肝要です。
最初から「言われなくてもやってほしい」という期待を強く押し付けてしまうと、反発を招く可能性があるため注意が必要です。
子どもたちの協力を促す褒美と感謝
家事への子どもたちの積極的な参加を望むなら、その取り組みを適切に認めることが重要です。
たとえば、子どもが家の手伝いを頑張ったときは、その努力をきちんと褒め称え、感謝の言葉を伝えることが必要です。
このように積極的に褒めたり感謝を示したりすることで、子どもたちは「手伝えば評価され、感謝される」と実感し、手伝うことへのモチベーションが高まります。
その結果、自発的に家事を手伝いたいという気持ちが育ちます。
一方で、子どもたちへの感謝の言葉は、いずれ彼らが助けを借りる立場になったときの大切な教訓にもなります。
そのため、親としてはこの点を意識しておくことが肝心です。
なお、感謝の言葉も褒め言葉もなく手当り次第に要求するだけでは、子どもだってやる気をなくすのは当たり前のことです。
「ごほうびでつる」という教育法
子どもにお手伝いの意欲を高めるため、ごほうびを与えることが一つの方法です。
表現は悪いかもしれませんが、これは子どもが積極的に家事を手伝うための効果的な手段となりえます。
たとえば、何かのおつかいを頼んだ際に「お菓子を何個かまたは〇〇円まで購入しても良い」と伝えたり、家事を手伝ってくれた際に少額のお小遣いを与えたりすることで、子どもたちは喜んで手伝ってくれることでしょう。
幼い頃にはそれほど深く考える必要はありませんが、年齢を重ねるにつれて「働いたら報酬がもらえる」という大切な教訓へと結びつきます。
さらに、ごほうびがあること自体が、子どもたちにとって手伝う動機づけにもなるのです。
手伝いを頼む側も、この点を熟慮し適切に対応するべきです。
しかし、ごほうびとして豪華すぎる品を提供することは避けた方が賢明です。
たとえば、単純な仕事に対して突然1万円を提供するなど(極端な例ではありますが)、教育上有害な影響を及ぼしかねません。
過度な報酬ではなく、「子どもにとってちょうど良い」と感じる範囲のごほうびを用意することが重要です。
子供の手伝い過多に注意
子供に対して頼み事をする際は、それが「手伝わせる」という程度を超えてしまわないように配慮が重要です。
手伝いを求めることが多すぎると、子供も徐々に嫌気がさしてしまう可能性があります。
手伝いを依頼する量に関しては、親として適切に判断し、子供が過剰な負担を感じないように注意しましょう。
また、「遊び」との充実したバランスを考えながら、適度にお願いすることが大切です。
手伝いの依頼内容は慎重に考慮を
手伝いを子供に依頼する際は内容についてしっかりと考えるべきです。
難易度が高すぎるものは避けるようにしましょう。
さらに、初めての手伝いに当たっては、適切な「指導」が必須です。
指示されただけで放置されてしまえば、子供は途方に暮れますし、思わぬトラブルの原因にもなりかねませんので注意が必要です。
まとめ
子供に家事などの手伝いをしてもらうのが困難な時、その理由は子供の性格だけではなく、他の要因が関わっている場合もあります。
親としてそれらの要因を正確に見極め、適切な対応を心がけることが必要です。
さらに、子供との間に築かれる信頼関係の構築も重要です。
信頼が損なわれた状態よりも、日頃から良好な関係を築いている方が、子供が積極的に手伝いをする可能性が高くなります。