大阪夏の風物詩である「なにわ淀川花火大会」(通称:十三の花火大会)は、地元ボランティアが運営する全国的にも珍しい市民参加型の大規模花火大会です。
例年は8月に開催されますが、2025年(令和7年)は大阪・関西万博との日程重複を避けるため、異例の10月18日(土)開催となりました。
秋の澄んだ夜空で約1時間にわたり豪華約2万発の花火が打ち上げられ、夜空いっぱいに広がる大玉やワイドスターマインが圧巻です。
以下では、この2025年大会を存分に楽しむためのポイントを項目別に解説します。
1. 穴場スポットガイド:徒歩圏・打ち上げ近くのおすすめ穴場3選
花火大会当日は公式観覧エリア周辺が大混雑しますが、少し場所をずらせばゆったり観覧できる穴場スポットも存在します。
打ち上げ地点に近く徒歩でアクセス可能なおすすめの穴場を3つ厳選しました。
- 海老江グラウンド(大阪市福島区) – 打ち上げ会場の対岸、国道2号線付近の河川敷グラウンドです。視界を遮る建物が少なく、特に大玉の花火まではっきり見渡せる絶好のポイントです。十三会場からやや離れているため人出も幾分控えめで、迫力ある花火を落ち着いて鑑賞できます。
- 西中島南方エリア(淀川河川公園) – 淀川の南岸、阪急南方駅・地下鉄西中島南方駅から徒歩圏の河川敷一帯です。十三側とは川を挟んだ反対側になりますが、その分広範囲に花火が見渡せる上に無料の観覧スペースが広く取られ、比較的人混みが緩やかな穴場です。視界の開けた河川公園から、大迫力の花火をゆっくり鑑賞できます。
- 十三中学校裏の堤防 – 打ち上げ会場(十三側河川敷)の東寄り、十三中学校付近の堤防エリアは知る人ぞ知る穴場です。公式有料席エリアの外側にあたり、地元の方が静かに鑑賞するスポットになっています。打ち上げ地点に近い割に人出が少なめで、ゆったり花火を楽しみたい方やファミリーにもおすすめです。
足元は堤防斜面なのでレジャーシート持参が良いでしょう。
2. アクセスと混雑対策:電車・車でのアクセス方法、混雑回避法
アクセス方法(電車): 会場周辺には複数の鉄道駅があり、公共交通機関でのアクセスが推奨されています。
十三会場側の最寄り駅は以下のとおりです:
- 阪急電鉄 十三駅(会場まで徒歩約15分)
- 阪急電鉄 南方駅(西中島南方駅)
- JR神戸線 塚本駅(徒歩15分)
- JR東西線 御幣島駅、阪神本線 姫島駅(徒歩圏)
- Osaka Metro御堂筋線 西中島南方駅(徒歩圏)
電車利用の場合、十三駅西口や塚本駅東出口から河川敷の中央階段へアクセスできます。
ただし大会当日は周辺が非常に混雑し、通常15分の道のりが時間帯によっては30分以上かかることもあります。
早めの来場を心がけましょう。
アクセス方法(車):
会場周辺に一般来場者用の駐車場は用意されておらず、交通規制も敷かれるため車でのアクセスは非推奨です。
当日は18時から23時頃まで周辺道路が大規模に通行止めとなり(場所により13時・17時から規制開始)、車で近づくこと自体が困難です。
公共交通を利用し、どうしても車の場合は離れたエリアの駐車場に停めて歩く覚悟が必要です。
混雑回避のコツ:
どの駅も大会当日は混雑しますが、ピークを避けた行動が鍵です。
行きはできれば昼過ぎ~夕方早め(15~16時頃まで)に現地到着するのが望ましいでしょう。
特に打ち上げ地点至近の阪急十三駅周辺は17時には大混雑となるため、遅くとも16時までに十三駅に着くよう計画すると比較的スムーズです。
阪急南方駅~十三駅の中間あたり(新淀川大橋付近)は比較的人が少ないため、その辺りで河川敷に入るのも手です。
帰りも駅は大混雑するので、事前に帰りの切符を買っておくかICカードを用意し、花火終了後は時間をずらして移動すると良いでしょう。
十三駅では臨時の切符売場が出るほど混雑するため、先に切符購入を済ませておけば帰路がスムーズです。
また、混雑を避けて別の駅まで徒歩移動するプランも検討できます(例:十三から梅田方面へ歩く、南方駅から少し離れた新大阪駅を利用する等)。
※なお、2025年大会では梅田側(南岸)の河川敷観覧エリアは高速道路工事の影響で立入禁止となっており、事実上すべての観客が十三側(北岸)に集中します。
そのため例年以上の混雑が予想される点に留意してください。
3. 観覧計画の立て方:混雑を避ける到着時間と場所選びのポイント
花火大会を快適に鑑賞するには、早めの計画と場所選びが重要です。
以下に混雑を避けるための到着時間と観覧場所選びのポイントをまとめます。
- 時間帯は余裕を持って:良い場所を確保するには午後の早い時間に到着するのが鉄則です。無料観覧エリアでも、人気の十三側河川敷は16時頃までに行かないと場所取りが難しい状況です。例えば2023年には、西中島南方側の河川敷は16時過ぎには人が集中し始め、約30分でほぼ満席状態になったとの情報もあります。
屋台も出ていますので、早めに行って夕方までお祭り気分で過ごすつもりで計画しましょう。
- 観覧エリアの選び方:迫力を優先するなら打ち上げ正面の十三駅周辺エリアですが、その分混雑は必至です。少しでもゆったり見たい場合は、対岸の南方エリアや打ち上げ地点から離れた場所を選ぶのがおすすめです。淀川南側の西中島・木川エリアや、北側でも十三駅から離れた上流(東側)の堤防沿いなどは比較的人出が少なく、落ち着いて観覧できます。
特にファミリー層や人混みが苦手な方は、少し距離を置いた穴場スポット(前述の3スポットなど)を選ぶと良いでしょう。
- 場所取りのポイント:無料エリアで観覧する場合、レジャーシート持参で地面に座って鑑賞するのが一般的です。河川敷は斜面や草地が多いので、滑りにくい靴・敷物の用意を。できれば前の人との距離や周囲に遮るものがない場所を選び、花火全体が見える視界を確保しましょう。
中之島寄りなどビル陰になりやすい低地は避け、空が大きく抜けて見える位置かどうか事前に地図やストリートビューで確認しておくと安心です。
- 退出計画も考慮:花火終了後は周辺駅が大混雑するため、帰りの動線も念頭に置いて場所を決めることをおすすめします。例えば十三駅近くだと終了直後は駅構内への入場規制で長時間待たされる可能性があります。少し歩いて別の駅を利用できる地点(阪急なら南方寄り、JRなら塚本駅寄りなど)に陣取っておくと、終了後スムーズに移動できる場合があります。
また、フィナーレ直前に移動を開始し、人波が動く前に駅に向かうという裏技もありますが、暗闇での移動は危険も伴うため慎重に判断してください。
4. 有料席と無料席の違い、有料席のおすすめエリア
無料席(自由観覧エリア)と有料席(協賛観覧席)には大きな違いがあります。
それぞれの特徴と、有料席を利用するならどのエリアがおすすめかを解説します。
- 無料席の特徴: 河川敷の一般開放エリアにレジャーシート等で場所取りして観覧します。費用がかからない反面、良い場所を確保するには早朝~昼過ぎからの場所取りが必要で、観覧場所や姿勢も周囲の混雑状況に左右されます。また、十三側会場は大部分が協賛観覧席(有料席)に充てられているため、無料で見られるエリアは上流寄りや対岸など限られた範囲に限られます。
例えば十三駅西口から近い河川敷はほぼ有料席のため、無料で見るなら阪急線鉄橋より上流側(東側)へ回り、十三駅東口から河川敷に入るのがベターです。
無料エリアでは席はなく地面に座る形となり、周囲も密集しますので、体力や熱中症対策も考慮しましょう。
- 有料席の特徴: 主催者が販売する協賛観覧席(有料席)は、場所取り不要でベストポジションから花火を鑑賞できるメリットがあります。座席は種類によって異なり、椅子席や桟敷席など事前に指定されたエリア内でゆったり着席できます。多くの有料席では簡易テーブル・椅子付きで、お弁当やお茶付きのプランもあり、トイレも近くに設置されているなど快適に楽しめます。
観覧エリアへの優先入場も可能で、開始直前に行っても確保された席から見られる安心感があります。
価格は席種により様々ですが、5,000円程度のものから最高クラスでは2〜3万円のものまで設定されています(2025年はプレミア席18,000円、納涼船席27,000円など)。
有料席のチケットは毎年早期完売する人気ぶりですので、狙う場合は公式サイト等での発売情報をチェックし、早めに申し込みましょう。
- 有料席のおすすめエリア: 数ある協賛席の中でも、特に花火の真正面に位置する十三側中央エリアの席がおすすめです。例えばプレミアムシートやエキサイティングシートと呼ばれるエリアは打ち上げ場所のほぼ正面・最前列に位置し、頭上いっぱいに広がる大玉花火やワイドスターマインの迫力を真正面から体感できます。視界全体が花火に覆われる圧巻の光景は有料席ならではの醍醐味で、「まるで花火に包まれるようだ」と評判です。
加えてこれらの席は机・椅子付きでお弁当とお茶付きと至れり尽くせりの内容。
価格は高めですが、その分快適さと眺望は群を抜いています。
予算と相談にはなりますが、記念に残る特別な体験をしたい方には、十三会場中央ブロックの有料席(特にプレミアム/エキサイティング系)を強くおすすめします。
反対に、価格を抑えたい場合は少し打ち上げ地点から離れたパノラマ席(左右両端のエリア)も選択肢です。
視界角度は斜めになりますが、その名の通り広範囲の花火を見渡せる席で、周囲の混雑も中央よりは穏やかです。
いずれにせよ、有料席を利用することで「場所取りの苦労ゼロ」で花火に集中できますので、快適さ重視の方には有料席は大いに価値ある選択と言えるでしょう。
5. 開催日・時間・会場(打ち上げ場所)の情報
大会名称: 第37回 なにわ淀川花火大会(通称:十三の花火大会)
開催日: 2025年10月18日(土) ※荒天中止(順延日なし)
開催時間: 19:30~20:30 前後(予定)
会場(打ち上げ場所): 大阪府大阪市淀川区新北野3丁目付近 淀川河川敷(新御堂筋淀川鉄橋~国道2号淀川大橋間の淀川河川敷)。
淀川の両岸から鑑賞可能ですが、先述のとおり2025年は南岸(梅田側)の一般観覧は禁止で、北岸(十三会場側)のみ開放されます。
打ち上げ玉数は公式には非公開ですが、例年約20,000発規模といわれる西日本最大級の花火大会です。
最大10号玉(尺玉)クラスの大玉も多数打ち上がり、スタートからフィナーレまで音楽に合わせた演出花火が続きます。
例年人出は45万人以上に達し、周辺は大変混雑しますので時間に余裕を持ってお出かけください。
※雨天時対応: 小雨決行・荒天中止です。
当日午前中〜夕方に公式サイトやニュース等で開催可否が発表されますので、天候不順時は直前情報を確認しましょう。
6. 花火をより楽しむための体験・アイデア:レストランからの眺望、周辺イベント情報など
淀川花火大会をさらに特別な思い出にするための楽しみ方のアイデアをご紹介します。
- 夜景レストランや高層展望から鑑賞: 喧騒を避け、ゆっくり食事をしながら花火を楽しみたいなら、ホテルやレストランの特別鑑賞プランがおすすめです。例えば梅田スカイビルでは、地上173mの空中庭園展望台から花火を眺める特別営業や、タワー内レストラン(40階の中国料理「燦宮」やスカイラウンジ「スターダスト」)でコースディナーを楽しみつつ花火鑑賞できるプランなど計4種類の特別企画を用意しています。毎年大人気のプランで事前予約・抽選が必要ですが、涼しい場所で絶景と美食を堪能できる贅沢な体験になります。
ほかにも、大阪市内の高層ホテルのスカイバーや最上階客室を花火鑑賞プランとして販売しているところもありますのでチェックしてみましょう。
- 納涼船(花火観覧クルーズ)に乗船: 淀川花火大会ならではのユニークな楽しみ方が、川面から花火を見上げる「納涼船」です。大会当日、淀川に設置された大型台船上の特設席に乗り込むもので、打ち上げ場所に最も近い超特等席として知られています。真上で炸裂する花火はまるで自分めがけて降ってくるような錯覚を覚えるほどで、「周囲360度が花火に囲まれる幻想的な世界」が体験できます。
定員は限られますが机・椅子付きで高級仕出し「なだ万」の特製弁当とお茶も付く豪華プランとなっており、特別な夏(2025年は秋)の思い出になること間違いなしです。
価格は大人27,000円と高額ですが、それだけの価値がある迫力とサービスが評判です。
- 屋台グルメや周辺スポットも満喫: 花火大会当日は淀川河川敷周辺に多数の屋台が立ち並び、お祭りムードを盛り上げます。例年、十三バイパス東側から新御堂筋西側にかけてずらりと露店が並び、たこ焼き・焼きそばから冷たいスイーツまで大阪ならではのグルメが楽しめます。花火の始まる前に屋台を食べ歩きしたり、レジャーシートを広げてピクニック気分で夕暮れを過ごすのも一興です。
また、少し足を延ばせば新梅田シティの「ドイツクリスマスマーケット」(例年11月開催)や、中之島の夜景スポットなど、大会前後で大阪観光を楽しめるスポットもあります。
2025年は万博開催年でもあり(※万博自体は10/13に閉幕)、大阪全体がお祭りムードに包まれる時期ですので、花火大会と合わせて街の賑わいを感じてみてはいかがでしょうか。
- その他アイデア: 家族連れなら浴衣を着て風情を味わったり、打ち上げの合間に子どもと花火クイズをしたりといった工夫で思い出づくりができます。写真愛好家は事前に打ち上げプログラムをチェックし、クライマックスのタイミングに備えるのも◎(2025年は5部構成のプログラムが予定されています)。また、会場では有志によるゴミ拾いボランティア活動なども行われており、参加すれば地域の一体感を味わえるでしょう。
十三の花火大会は「みんなで作る手作りの花火大会」でもあります。
観客として見るだけでなく、運営を支える人々にも思いを馳せることで、きっと花火への感動も一層深まるはずです。
穴場を知って、十三花火をもっと自由に楽しもう!
十三花火大会は、大阪屈指の人気を誇る夏の風物詩。
その分、観覧場所やアクセスの混雑に悩まされる方も多いはずです。
ですが、視点を少し変えて穴場スポットを押さえておけば、混雑を避けつつ、花火本来の美しさをゆったり堪能できます。
本記事でご紹介した裏ワザやスポット情報を活用して、今年はストレスフリーで快適な花火観賞を実現しましょう。
大切な人との時間も、夏の思い出も、きっと一段と特別なものになるはずです。
あなたにとって最高の夏の夜になりますように──!